清水建設株式会社様

導入製品


施工現場の最前線に臨場感あふれるコミュニケーションを

Challenge

以前から活用していたWeb 会議から、臨場感あふれる音声と映像でコミュニケーションの質を高めるビデオ会議システムへの切り替えを希望。支店や営業所、建設作業所を円滑に接続し、質の高いコミュニケーションインフラの構築を目指す。

Solution

冗長化構成されたPolycom RMX 2000 多地点接続サーバーを中心に、Polycom HDX 7000 及びPolycom HDX 6000 ビデオ会議システムを本社と全国12 支店、統括する営業所に展開。さらに、施工現場にはコラボレーションソフトウェアPolycom CMA Desktop を導入、社外からのセキュアなアクセスが可能なPolycom Video Border Proxy によって海外からの接続も可能に。

Result

同社の標準サービスとしてポリコムの専用端末が認定され、本社から施工の最前線となる建設作業所まで、臨場感あふれる音声と映像を利用した円滑なコミュニケーションインフラの構築に成功。月に400 回を超えるほどの会議が開催されるほどビデオ会議システムが全社に浸透している。

用途

  • 日常的なミーティング
  • 案件会議、定例打ち合わせ
  • 社長に直接決裁を仰ぐ社長室会議
  • 現場の進捗確認を行う工事長会議
  • 朝礼
  • お客様との設計打ち合わせや進捗ミーティング
  • 技術研修や安全研修


ポリコムの遠隔会議ソリューションが

清水建設の施工現場の最前線に臨場感あふれるコミュニケーションを届ける


【導入の背景】より手軽な遠隔会議システムの模索

 越中富山の大工である初代清水喜助が1804 年に創業、現在は総合建設会社としてスーパーゼネコンの一角を担っている清水建設株式会社。海外も含めて同社が手掛けている施工現場の数は常に1000 ヶ所を超えているなど、大型物件のみならず中堅中小規模の物件にも力を入れている。また、創業者が宮大工であったことから伝統的な社寺建築にも豊富な実績とノウハウを持っており、60 年ぶりに行われた出雲大社の「平成の大遷宮」では御本殿修造を手掛けるほどだ。最近では、事業継続計画(BCP) と平常時の省エネルギーを両立させるべく「環境・エネルギー+防災・減災」技術を軸とした「ecoBCP® ソリューション」を強力に推進している。

 数多くの案件を抱えている同社では、全国に支店、営業所、建設作業所などが点在しており、各拠点にメンバーが集まることで、日常的な打合せと会議を開催していた。しかし、移動時間やコストなどの観点から会議の効率化を図るべく、PC を利用したWeb 会議ソリューションを2003 年に導入、遠隔会議が可能な基盤作りを全社的に進めていた経緯がある。ただ、会議を始めるまでの準備に多くの手間がかかってしまうなど、現場で利用するには敷居が高かったと情報システム部 インフラ企画グループ グループ長 市橋 章宏氏は当時を振り返る。「PC のセットアップはもちろん、Web カメラや集音マイクの接続、そしてソフトウェアを起動してから遠隔地の呼び出し、音声や画像の調整など、Web 会議を行うための準備に、時間と手間が必要でした。コミュニケーション手段を確立するためのスキルを現場に強いてしまっては本末転倒です。そこで、もっと手軽に遠隔会議ができる方法がないものかと検討し始めたのです」と市橋氏。エコーなどの影響で会話が聞き取りづらい場面もあるなど、品質的な課題も顕在化していたという。

【導入決定のポイント】音声品質の高さとPC への展開も可能な拡張性を評価

ビデオ会議を行う上での最重要ポイントは音声。

ポリコムは音質が良く、エコーキャンセラー性能が優れていると感じたのです。

そんな折、支店の裁量範囲で専用端末を利用したビデオ会議システムを導入する動きが同社の中で活発化し、支店と営業所の間を高品質な音声と映像で繋ぐビデオ会議システムが、本社ではなく支店を中心に先行導入されていったのだ。

 もちろん、ビデオ会議システム導入の情報は全国に点在する他の支店にも届き、関東支店でもビデオ会議システム導入の計画が持ち上がった。「北関東地域と甲信地区の6 県を統括する関東支店はカバーエリアが広大で、遠隔地同士のコミュニケーションを臨場感あふれるものにしたいというニーズが強いのです」と語るのは関東支店 企画部 黒澤 佐登史氏だ。

セットアップに時間がかかってしまうだけでなく、音声が途切れるなど品質的も課題の多いWeb 会議から脱却し、他の支店で導入が進み始めたビデオ会議をぜひ使ってみたいと考えたという。そこで、情報システム部門の市橋氏にビデオ会議システム導入に関して相談を持ちかけたところ、同社ではこれまで実績のなかったポリコムを推薦されたという。

 市橋氏がポリコムを推薦したのは、その音声品質が最も高いと判断したためだ。ビデオ会議を行う上での最重要ポイントは音声です。ポリコムは音質も良く、エコーキャンセラー性能が優れていると感じたのです」。また、ポリコム製品を扱う代理店のサポート拠点が全国にあり、保守面でのサポート力にも期待が持てたという。

 さらに市橋氏は「継続してサービス提供し続けることが可能だという点で、当社はデファクトスタンダードであることを製品選定基準の一つに挙げています。ポリコムならグローバルでのシェアも高く、安心材料になります」と推薦のポイントを力説する。

 実は、関東支店ならではの事情もある。他支店に比べて数多くの営業所を統括している関東支店では、MCU の導入が必要不可欠だった。「当時は専用端末と同一メーカーでMCUを提供していたのがポリコムだったこともポイントの一つ」。また、以前からWeb 会議に接続する音声端末としてPolycom SoundStation を利用していたため、メーカーとしての信頼感やブランド力は評価していたと黒澤氏は語る。

 さらに、「専用端末の展開だけでなく、いずれは建設現場でも使えるPC への応用も視野に入れたストーリを描いていました。専用端末の能力はもちろんですが、その先にPC で利用できるソフトウェア製品が備わっているという点も、ポリコムを選択した大きなポイントです」と黒澤氏。

 結果として、2007 年には関東支店に13 台の専用端末が導入され、2008 年になると情報システム部が全社に提供する標準サービスとしてポリコムの専用端末を認定、支店からの要請に応じてビデオ会議システムが利用できる環境が整うことになる。


【実際の運用状況】臨場感あふれるビデオ会議端末は
150 以上を超える規模に拡大

ビデオ会議システムは、電話、メールに続く第三のコミュニケーションインフラとして社内に定着。

現在は、BCP の一環として異なる2 つのデータセンターにPolycom RMX 2000 多地点接続サーバーが1 台ずつ設置されており、同社の標準的な専用端末としてPolycom HDX 7000 及びPolycom HDX 6000 ビデオ会議システムが選ばれ、全社で150 台を超える規模で導入されている。日本にある12 支店やその配下にある営業所のほぼすべての拠点に専用端末が設置されており、海外拠点には専用端末が20 台あまり、それぞれの国で手配された様々なベンダの専用端末が展開されている。

 専用端末以外にも、ポリコムが提供するPC 用のコラボレーションソフトウェア「Polycom CMA Desktop」が導入されており、本社よりも先行して導入した関東支店でおよそ200 ライセンス、情報システム部ではマイクとカメラをセットにした上で、およそ300 あまりのライセンスが準備されている。Polycom CMA Desktop は社内ルールとしてライセンスの費用負担なく各部門が自由に使うことができるようにしているため、アジアを中心とした海外の現場に持ち出して利用する機会も少なくない。

 同社のビデオ会議システムを支えるネットワークは、国内では専用線にて本社や支店、営業所が接続されており、建設現場に仮設される建設作業所では光回線やADSL などが活用されている。海外からの接続にはインターネット回線が利用されており、2010 年に導入した、外部からの接続を可能にするためのゲートウェイ装置であるPolycom Video Border Proxy を経由して社内との接続が行われている。

「震災など緊急時には欠かすことのできないコミュニケーションインフラとしてビデオ会議システムが認識されているため、万一の際にも継続的に利用できるよう冗長化構成を採用しています」とその重要性を指摘するのは情報システム部 インフラ企画グループ 石田惇氏だ。すでに同社では、電話、メールに続く第三のコミュニケーションインフラとして位置づけるほどにまで重要なインフラとして定着しており、「いずれは電話をかける感覚で遠隔地との会議が手軽にできるようにしたい」と市橋氏も語る。

ビデオ会議システムを導入したい部署は、全社的な管理をしている同社の情報システム部に申請すると、月額費用の負担だけで利用が可能に。

ビデオ会議端末を導入したい場合は各拠点で購入する訳では無く、情報システム部に申請すると月額費用(6 年拘束)で利用できるようになっている。また、導入の際、ユーザ教育は意識して行われておらず、「簡易的なマニュアルがあれば、現場はすぐに使いこなしています」と石田氏はポリコムの使いやすさを評価する。

 使い方についても同社ならではの工夫が凝らされている。冗長化のためにPolycom RMX 2000 が2 台導入されているが、1 台を予約制の会議室として、もう1 台を予約なしで誰でも自由に利用できるように使い分けが行われている。必要に応じて使い分けることで、現在は月に400 回を超えるほどの会議が開催されるほどビデオ会議システムが積極的に利用されており、なくてはならないコミュニケーションインフラに成長している。

現場の工程を中断させることなく迅速な対応も可能になり、今までできなかった会議が開催できるようになりました。

黒澤氏は「関東支店では、Web 会議時代は月に2 ~ 3 回程度しか活用されていませんでした。臨場感がないため気持ちが伝わりにくいためです。しかしビデオ会議に変えてからは、支店が介入しているものだけでも15 以上の会議で利用されており、営業所同士の会議や打ち合わせなども加えると、使用回数はとても数字で追うことが難しいぐらい。ビデオ会議がないと仕事が回らない状況となっています」と現状の活用状況を振り返る。

 具体的な用途としては、社長に決裁を仰ぐ社長室会議をはじめ、工事長が現場の主任を集めて進捗確認などを行う工事長会議や毎月1日に開催される朝礼など様々だ。また、お客様との定例の設計打ち合わせや進捗ミーティングの場面でも活用させることもあるという。もちろん、海外にある現場とのやり取りにも積極的に利用されている。「関東支店では、技術研修や安全研修などでも利用しています。我々が何か言うよりも営業所や建設作業所同士で積極的に利用しており、日常的に馴染んだツールの一つです。なくなってしまっては大変なことになります」と黒澤氏はインフラとしての重要性を指摘する。また情報システム部 インフラ企画グループ 課長 武井 英明氏は「年齢層が高い方が多いだけに、顔の見えるコミュニケーションが当社の風土にあっていると考えています。表情を見れば本音も見えてくるし、何よりも安心感があります。Face to Face でのコミュニケーションは何よりも重要です」とその有用性を力説する。

 これまでできなかった会議が新たに可能になった点も見逃せない。「現場で何か問題が起きた場合、設計部門と現場の担当者が会話をする必要がありますが、双方が集まるためには数時間を要してしまい、なかなか会議が開けなかった場面も。しかし、ビデオ会議システムを利用することで素早く会議を始めることが可能です。現場の工程を中断させることなく迅速な対応が可能になるなど、今までできなかった会議が開催できるようになりました」とその有用性を石田氏は高く評価している。

 このビデオ会議システムは東日本大震災の時にも大きく活躍したと武井氏。「震災発生後には素早く災害対策本部を立ち上げ、社長を筆頭に経営層や支店の幹部が毎日ビデオ会議システムを通じて会議を行っていたほど」。

 茨城や栃木など被災地を抱える関東支店でも、ビデオ会議システムが役立ったと黒澤氏は当時を振り返る。「全社の会議が終わった後に支店の会議を実施し、さらに営業所同士の会議も頻繁に開催されました。当時は物流が遮断されており状況把握も難しい状況でしたが、電話やFAX でのやり取りに比べても危機感が相手に伝わるビデオ会議システムは有効なコミュニケーションツールでした」。震災の影響でダメージを受けた建物の簡易的な応急処置についても、ビデオ会議システムを通じて意思疎通を行い、大宮にいる技術者が現場に指示を出す場面もあったという。

【今後の展望】出張先や施工現場の最前線で活用できるスマートデバイス利用を検討

どんな状況からでも会議に参加できる、これは今後の目玉の一つと考えています。

 今後について市橋氏は、「タブレットやスマートフォンなどスマートデバイスを利用したビデオ会議システムの導入を検討したいと考えています。たとえ移動中であっても幹部が参加できるようになりますし、しゃべらなくても聞いているだけでも全然違うものです。

どんな状況からでも会議に参加できる、これは今後の目玉の一つとして考えています」と語る。すでにPolycom Video Border Proxy が導入されているため、スマートデバイスから社内会議へのアクセスは可能な状況だ。情報システム部門で試してみたところ、「想像以上のクオリティでした。以前から施工現場で利用したいという声があがっていましたが、資料もピンチアウトで拡大できるため、現場での活用は十分考えられます」と市橋氏。黒澤氏も「クレーム処理などの場面で現場と支店や営業所を接続できれば、その場で解決策も素早く相談できます。ぜひ前向きに検討したいですね」。

 また、現在導入しているPolycom CMA Desktop は建設作業所での利用を中心に考えられているが、人数の多い建設現場では専用端末のニーズも高いという。「現在は6 年拘束の貸し出しを行っていますが、月単位で貸し出せるようなサービスを検討しています」と石田氏。建設作業所に展開する専用端末は、Polycom HDX 6000 の他にも、新たなラインナップとしてPolycom RealPresence Group シリーズの展開も視野に入れている状況だ。他にも、研修内容などを録画できるレコーディング環境の整備も希望していると今後の展望を語っていただいた。

 

清水建設株式会社

創業:1804 年

本社所在地:東京都中央区京橋2-16-1

代表:代表取締役社長 宮本 洋一

活動内容:日本をはじめアジアを中心にグローバルな事業を展開、大型物件のみならず中堅中小規模の物件にも力を注いでいる総合建設会社。伝統的な社寺建築に豊富な実績とノウハウを持ち、「環境・エネルギー+防災・減災」技術を軸とした「ecoBCP® ソリューション」にも注力。