ポリコムジャパン株式会社

導入製品


緊急時に顔の見える映像が従業員のメンタルを支える一助に

Challenge

緊急時やテレワーク環境でもクオリティを低下させずにビジネスの継続を図りながら、社内外との円滑なコミュニケーションを実現したい。

Solution

クライアントPCに導入されたPolycom Converged Management Application(CMA) Desktopにより、いつでも、どこからでもミーティングに参加できる環境を整備。社内だけでなくパートナーとのやり取りにもビデオ会議システムが大きく活躍。海外拠点にPolycom RMX 2000多地点接続サーバーを複数台設置し、Polycom Distributed Media Application(DMA) 7000によって負荷分散することで、多地点接続会議もスムーズに開催し、迅速な判断と業務遂行を実現。

Result

顔の見えるビジュアルコミュニケーションが、従業員のメンタルケアにも大きく貢献。海外とのミーティングも円滑に行え、BCP対策として有効な情報共有基盤へと拡大。テレワークを含めた新たなワークスタイルの可能性を実感。

用途

  • アジア太平洋地域の本社(シンガポール)や米国との震災対応に関する緊急ミーティング
  • 緊急時におけるパートナーや顧客との情報共有や商談の継続
  • 在宅勤務など様々な勤務体制をサポートする従業員同士のコミュニケーションインフラの見直し

 

指揮系統の維持や情報共有インフラの確保も含めたBCP策定が急務に!

遠隔地との円滑なコミュニケーションを実現するビデオ会議ソリューションのトップベンダであるポリコムジャパン株式会社。音声、映像、データ共有のそれぞれの分野で高品質な製品の拡販を行っており、ユニファイド コラボレーション ソリューションのリーディングカンパニーとして革新的なテクノロジーを駆使した製品を市場に送り出している。

そんな同社のソリューションが大きく活かされたのが、2011年3月11日に三陸沖で発生した東北地方太平洋沖地震だった。建物の倒壊など地震による直接的な被害はもちろん、津波や火災、そして原子力発電所からの放射能漏れ、さらには電力不足に伴う大規模停電など、震災が日本経済に与えた影響は計り知れない。

特に企業においては、製造施設そのものが直接被災し操業停止に追い込まれるケースや、物資を運ぶための物流網が寸断されたことで部品供給が間に合わず、サプライチェーン崩壊を招いた企業が続出。余震に対する警戒や放射能汚染の影響から従業員を避難させる措置を取る企業もあり、“人財”を含めて事業を継続するためのインフラ確保に苦慮しているところも少なくない。

震災後、多くの企業・団体で、事業活動の継続や早期復旧を実現するための行動計画「BCP」の策定が急務となった。BCPは、事業内容に照らし合わせてビジネスインパクトを分析し、復旧手順や復旧目標時間などを決めていくものだが、指揮系統の維持や情報共有インフラの確保など、危機管理を含めたマネジメントの役割も重要な比重を占めるものだ。今回の震災では、従業員の安否確認や現場の状況を判断するための情報収集が遅々として進まなかったケースもあり、改めて情報発信、共有のためのインフラ確保の重要性が再認識された。そのBCPに有効なソリューションの1つに挙げられているのが、的確な状況判断を促し、迅速な意思決定に寄与するビジュアルコミュニケーションツール「ビデオ会議システム」だ。

 

ダイレクトに伝わる現場の緊迫感が迅速な意思決定に寄与

アジアパシフィック チャネル販売部ディレクターの奥田智巳氏は、震災発生後の対応に自社製品であるビデオ会議システムが重要な役割を果たしたと当時を振り返る。ただし、普段からビデオ会議システムをコミュニケーションの基盤として活用していただけで、災害対策用のインフラとして特別に整備していたわけではない。“期せずして”BCP対策の重要なキーインフラになったのだ。「固定電話や携帯電話などコミュニケーションの中心となるべき通信インフラが災害直後から繋がりにくくなり、最終的には不通となるなか、インターネットだけは震災後も安定して利用できた唯一のインフラでした。そのインターネットを使ったビデオ会議システムがあったからこそ、災害に関する情報把握や従業員同士の情報共有などを円滑に行うことができました。」

同社の場合、指揮命令系統として日本を統括するアジア太平洋地域の本社が遠く離れたシンガポールにあり、震災発生後の対応について即座に協議を行う必要があった。この場面でも、音声だけではない映像の力が大きく影響したと奥田氏。「鮮明な映像と音声によってあたかも目の前にいるような臨場感を生み出すビデオ会議システムだけに、ダイレクトに伝わる現場の緊迫感が迅速な意思決定を促すことにつながったのです。」

 

仕事のクオリティを低下させない在宅勤務環境をビデオ会議インフラで確保

意思決定のスピードもさることながら、同社が取った震災後の対応は迅速だった。震災当日は紀尾井町のオフィスで働く従業員を全員帰宅させ、週末の間に翌週以降の対策についてシンガポールや米国にいる上級管理者と協議を実施。リスクマネジメント委員会を設け、翌週からビデオ会議システムを通じそれぞれが持っている情報を持ち寄りながら、リスクとその対応策の検討が行われた。「実は、我々も日本の社員全員が自宅にいる状態で多くのミーティングを行った経験がなかったのです。しかし、実際には音声と映像を利用したコミュニケーションだからこそ、大きな支障もなくスムーズに活発な議論や意見交換ができました」と奥田氏。

震災直後のミーティングでは、交通機関等の混乱を避け、オフィスに出社することなく仕事が続けられるリモートワークへの移行、そしてかねてより検討されていた大阪オフィスの開設、さらには万一の事態が起こった際の従業員の避難プランなどが具体的に議論され、適切な対応策が取られることになる。

特に、リモートワークへの移行については、会社が支給しているすべてのノートPCに、ソフトウェアベースのビデオ会議システムが装備されていたことが幸いした。また、同社のインフラがWeb会議を前提にしたシステムではなく、HD対応の専用端末やデスクトップ専用機など様々な機器との高品質な接続が可能なビデオ会議をベースにしたシステムだったことも大きいと奥田氏。「接続状況を加味しながら環境ごとに最適な品質を作り出せたのは、やはり高品位なビデオ会議システムがあったおかげです。」

さらに、以前からオンライン上に社内資料が格納されていたことで、VPNでイントラネットにアクセスすれば業務に必要なあらゆる情報が手に入るようになっていた。「コミュニケーションインフラはもちろん、業務に必要な情報にセキュアにアクセスできる環境が整っていました。たとえ通勤が困難な場合でも、仕事のクオリティを低下させることなく在宅勤務が可能と判断したのです。」

なお、同社の環境は、クライアントPCにPolycom Converged Management Application(CMA) Desktopを導入し、オフィスや会議室などにはビデオ会議システム「Polycom HDXシリーズ」を設置。様々な機器を混在させながら用途に応じた使い分けを行っている。また、海外拠点にPolycom RMX 2000 多地点接続サーバーを複数台設置し、Polycom Distributed Media Application(DMA) 7000による負荷分散が行うことで、大規模な多地点接続会議も可能だ。

 

BCP対策に忘れがちなメンタルケアをサポート!映像の持つ底力を実感

業務を遂行するためには、従業員が置かれている状況を把握することも重要な要素の一つだろう。同社では、マイクロソフトが提供しているインスタントメッセンジャー「Microsoft Office Communicator」を在宅勤務時に起動させ、現在の状況をメモで公開するように指示したと奥田氏は語る。

普段オフィスにいる環境であれば、仕事に取り組む姿勢などが直接確認できるものの、在宅勤務であればその様子を推し量るしかない。しかし、こうした仕組みやビデオ会議システムがあることで、仕事の状況や雰囲気を映像から確認できるようになり、たとえ在宅勤務であってもマネジメントしやすい環境を作り上げることに成功している。

震災後、社員の中には幼い子供とともに西日本に一時避難した従業員も複数いたというが、いずれも滞りなく業務遂行が可能だった。多地点接続サーバー(Polycom RMX 2000)上に各部署・従業員用にビデオ会議用の仮想ミーティングルームが割り当てられており、必要なタイミングで相手のミーティングルームにアクセスすればすぐに打ち合わせを始めることができる。最大でおよそ25人と同時接続しながらのミーティングも行ったという。

BCP対策として意思決定の迅速化に大きく寄与しているビデオ会議システムだが、実はもっと大きな効果として感じているのは、数値化できない映像の力だと奥田氏は力説する。「誰も経験したことのない緊迫した状況だけに、精神的に追い込まれている人がいないかどうかなど、メンタルケアの部分で大きな効果をもたらしたと考えています。一般的にBCPといえば、システムの冗長化などツールの話題になりがちですが、仕事をしているのは“人”です。精神的な平静をいかに保つのかという部分は重要なポイントです」。見えている、つながっていることによる安心感や一体感が、事業継続の重要なピースとなることが再認識されたという。

 

企業ごとに異なるリスクマネジメントのギャップを埋める

BCP対策では、社内のみならずパートナーや顧客をはじめとする対外的な対策も欠かせない。そこで、今回新たに顧客対応や運用ルールが柔軟に見直され、その変更事項をメールやビデオ会議システムを通じて全社員に周知徹底させたという。「例えば、顧客の不安感を解消する手立てとして、緊急連絡用のメールアドレスをWebサイト上で告知しました。そのほかソフトウェアベースのIP電話ツールを利用し、会社宛の電話を全て自宅のPCに転送できるようにすることで、顧客やパートナーからの連絡もスムーズに受けられるテレワーク環境を構築したのです」。

特にパートナー対応という側面においては、日々の商談過程でビデオ会議システムを活用するカルチャーが根付いていた。「パートナーとのアクセスを行う際には、Polycom Video Border Proxy(VBP)と呼ばれるゲートウェイによって切り分けられ、社内外の環境をセキュアに保つことが可能です。」また、社内およびパートナーとのミーティングが必要な場合は、Microsoft Outlookのスケジュール機能を利用し、各従業員が持っている仮想的なミーティングルームの活用により、いつでも簡単にビデオ会議が実施できるようになっている。

このビデオ会議システムを活用したおかげで、外部とのギャップを埋めるツールとしても役に立ったと奥田氏は指摘する。「リスクマネジメントの考え方は各社異なっており、ある企業では震災翌週から通常業務に戻っているところもあれば、自宅待機を続けていたところも。企業ごとのギャップを柔軟に吸収してくれたのがビデオ会議システムです。」

 

在宅勤務でもビジネスクオリティを維持!新たなワークスタイルの起爆剤に

今回の震災では、ビデオ会議システムが既にBCP対策として活用されている例が多いことが改めて浮き彫りになったと奥田氏は分析する。「例えば大手コンビニエンスストアでは、震災直後から本社と被災地をつないで被災地支援を実施していました。他にも、石油元売り企業では被災地のガソリン不足を解消するための緊急改善策を議論するなど、ビジネス継続を図るための手段としてビデオ会議システムが積極的に利用されています。安否確認のためのツールとして活用していた企業もあるほどで、その用途は多岐にわたっています」。

さらに今後は、電力不足時の節電対策ツールとしても注目されているという。「在宅勤務を取り入れたいと考える多くの企業が、最適なソリューションの1つとしてビデオ会議の導入や拡張を検討しています。今回の震災で、リモートワークが支障なく機能することを実感できた企業も多く、今後はテレワークを含めた新たなワークスタイルが定着する可能性もあり得ます。」

これまで、テレワークの導入にはハードルが高い部分もあったが、震災での経験を機にその必要性と有効性は注目を集めつつある。ポリコムでも各自が、それぞれの業務内容に応じて効果的・効率的に業務遂行するためにテレワーク環境の改善を進めている。さらに今後は、ビジュアルコミュニケーションの活用による企業のBCP対策や、新たなワークスタイルの創造に寄与する提案をしていく。

 

ポリコムジャパン株式会社

設立:1999年6月

本社所在地:東京都千代田区紀尾井町6-12

代表:ハンスヨーグ ワーグナー(アジア太平洋地域担当プレジデント兼任)

活動内容:臨場感溢れるリアルタイムコミュニケーション&コラボレーション環境を提供するビデオ会議システムを中心に、映像・音声・データ会議システムの総合メーカーとして、高品質かつ高性能な製品を市場に展開。多くの企業に最適なコラボレーション環境を提供している。