アステラス製薬株式会社様

導入サービス


能動的な保守サービスがグローバルなコミュニケーション活性化に貢献

Challenge

戦略的な企業経営を目指すなかで重要とされたグローバルでのコミュニケーション活性化を、全社的に認知度が高まりつつあったビデオ会議システムを活用して実現したい。

Solution

グローバル全体のネットワークアセスメントサービス「ポリコム ネットワークコンサルティング」によりビデオ会議を運用するにあたってのネットワーク上の問題とその原因を究明、さらに能動的な保守サービス「エリートサポート」によって安定した基盤作りのための場を整備。

 Result

エンドポイントまでの徹底したアセスメントのおかげで、改善箇所が明確にレポートの形で提示され、改善対応を行う現場に対するエビデンスとして役立つものに。また、標準化された運用体制の中で発生する問題をインシデントレポートとして共有する定期的な場が提供されたことで、問題の傾向分析とその対応のためのオペレーション改善など、予防措置のための環境作りに成功。

用途

  • インシデントレポート共有による発見的予防措置の議論と改善策の実施
  • 新規設置や移設などグローバルな環境での情報共有
  • アセットマネージメントおよび全体システムのオペレーションの安定性と利用率の確認

 

【導入の背景】グローバルでの“コミュニケーション活性化”が戦略的な企業経営のキーワードに

2005年4月に旧山之内製薬と旧藤沢薬品工業が合併して誕生したアステラス製薬株式会社。医療用医薬品に特化した新薬の研究開発に注力している同社は、医薬品業界を牽引するグローバル製薬企業として、世界の人々の健康に貢献する創薬研究に取り組んでいる。現在では、2015 年に目指す企業像を示した「VISION 2015」を経営ビジョンに掲げ、免疫疾患や泌尿器など5つの重点領域におけるグローバル・カテゴリ・リーダー(GCL)を目指しており、ビジネス基盤の強化を積極的に行っている。

日米欧3極のグローバルな研究ネットワークを展開している同社は、合併以前の1993年頃より、ISDN網を活用したコミュニケーション基盤をビデオ会議システムによって整備していた。「研究開発拠点や工場との間で発生していた出張費の削減やコミュニケーションの円滑化による業務効率の向上を図るため、以前からビデオ会議システムを活用していました。」と語るのは、コーポレートIT部インフラグループの矢ヶ部泰法課長だ。その後、2006年頃からIP網を活用したグローバルWAN環境を整備しながら、「VISION 2015」実現へ向けた戦略的な企業経営のための変革をインフラチームとしても推し進めていったという。その過程で重要なキーワードとなったのが、グローバルでのコミュニケーション活性化だった。

【導入決定のポイント】ラストワンマイルが困難を極める!原因究明の切り札としてのアセスメントサービス

国内外合わせて100のビデオ会議端末が導入され、すでに国内では研究開発拠点間で積極的に活用されていたビデオ会議システムだが、これまで海外との接続に関しては、基幹システムやR&Dのためのアプリケーションを優先させてきた背景がある。「以前はビデオ会議用の端末は各国で異なるものが導入されていたものの、ISDN網であったがゆえに、接続に関してさほど技術的な問題はありませんでした。」と同部の川田 康将係長は当時を振り返る。しかし、ビデオ会議システムの認知度がグローバル全体で上がり、コミュニケーション系アプリケーションに関する要求も次第に高まっていったという。そこで、グローバル全体でビデオ会議システムを積極的に活用するべくIP網での接続を実施してみたものの、新たな課題が顕在化することになる。「IT部門で海外との接続試験を実施したのですが、パケットロスが頻発することで画像が乱れ、音声もかなり揺らいでいました。とても使えるシロモノではなかったのです。」(川田係長)

グローバルネットワークに関しては、採用している通信事業者が各国で異なっているだけでなく、ビデオ会議端末のモデルも設定情報も現地の判断にゆだねられていた。そのため、日米欧に展開するすべての情報を一元的に管理できておらず、原因究明が円滑に進まなかったという。「パケットロスが発生した際にも、通信事業者からは網内のルータまでは、ロスや遅延は発生していないという回答だけ。パケット破棄の設定など事業者独自の仕様にも悩まされました。その先のラストワンマイルについても、手配している業者もばらばらで調べる手立てがなかったのです。」と矢ヶ部課長。2007年頃からおよそ1年に渡って試行錯誤を繰り返すものの、支障なく使えるレベルには至らなかったという。

そんな折、同社に提案されたのが、ポリコムが提供する「ネットワークコンサルティング」と呼ばれるアセスメントサービスと、専属チームによる能動的な保守サービス「エリートサポート」だった。「グローバル全体を解析、調査してくれるアセスメントサービスなら、当社が抱える課題に応えてくれるものだと考えたのです。」そこで、2008年8月よりアセスメントを開始し、ポリコムとともに原因究明に乗り出すことになった。

【実際の運用状況】議論の枠組みとなる場の提供が、安定したインフラを作る強力な基盤に

ネットワークコンサルティングは、繋がりにくい拠点に設置されたビデオ会議端末内の情報を元に、専門のコンサルタントが解析することで仮説を作り、疑似パケットによってルータやスイッチの挙動を確認するなど仮説の裏付けを行っていくサービスだ。特にヨーロッパと日本における接続が急務となっていたこともあり、同社に対するプロジェクトマネージャーはロンドンの人間が担当、グローバルに設置された端末からの情報収集を迅速に行っていったという。

このアセスメントサービスのおかげで、より具体的に現地のIT担当者に指示できるようになったと川田係長は評価している。「QoS設定やロードバランスの振り分けポリシーなど、パケットロスの原因として考えられる事象が現場にはっきりと提示できるようになりました。ビル内のLAN配線など細かな部分を含めて、エンドポイントまでの徹底したアセスメントだったため、結果レポートが具体的なエビデンスとして大いに役立ったのです。」他にもアセスメントと同時並行で、用途に合わせたビデオ会議端末の統一モデルや設定情報をグローバル基準として策定し、標準化へのプロセスを加速させていった。

また、アセスメントの結果が現れ始めた段階で、保守サービス「エリートサポート」の運用を試験的に開始し、今では専属の窓口となるESM (Elite Service Manager)との月次の定期報告会などを通じ、緊密な情報交換の場が作られている。「日本が主導となり、導入時期や端末モデルなどを統合的に管理できる基盤を作り上げる目的でエリートサポートを導入しました。指定したモデルをエリートサポートの範囲で手配すれば、日本を含めたグローバルでの接続確認が取れる形にできるようにしたのです。」と矢ヶ部課長。現場のIT担当者が行う機器の選定作業や接続確認の負担を大きく減らすことができ、今ではグローバル全体がエリートサポートによって統合的に管理できるようになっている。あわせて、一元管理を可能にするPolycom CMA 5000 を導入し、端末の使用率など細かなコールトラッキングが可能な環境も整備している。

エリートサポートに関しては、「実はフレームワークとしての基本的な枠組みだけしかなく、一緒に安定したインフラを作っていくための場が提供され、そこに肉付けしていくようなもの」と川田係長が表現する通り、月次の定期報告会での議題は多岐に渡っている。例えば、インシデントレポートを共有することで発見的予防措置に対する議論が交わされたり、新規設置や移設などの情報共有が行われたりなど、実に様々だ。もちろん、障害発生時のサポートについても、通常の機器保守とは違うメリットがあると川田係長。「設置状況や設定情報など自社の環境を熟知したマネージャがいることで、迅速な復旧が可能となります。これまでの知見がしっかりと蓄積されており、それが現場に活かされているのは大変ありがたいことです。」と評価している。現在では安定した運用が可能となっており、エリートサポートが同社の安定した基盤作りに大きく貢献している。

【今後の展望】時差を含めたルール作りとともに新たなチャレンジにも積極的に取り組む

今後については、まずはグローバル全体でビデオ会議端末増設の要求が高まってきており、そのためのルール作りを早急に進めたいと矢ヶ部課長は語る。「コールトラッキングの仕組みを導入したことで、使用状況はすぐに確認できます。しかし、海外との接続に関しては時差も影響しており、実際に日本との会議に使える時間は1日のうちでも数時間程度。この点も考慮に入れながらルール作りを進めていきたい。」また川田係長は、ビデオ会議システムを含めたユニファイド環境をいかに作り上げていくのかというチャレンジにも取り組んでいきたいと意欲的だ。今後もエリートサポートを継続していきながら、利便性の高いインフラ作りに役立てていきたいと抱負を語っていただいた。

「ポリコム エリートサポート」の詳細はこちら

www.polycom.co.jp/services/support_services/video_conferencing_support

「ポリコム ネットワークコンサルティング」の詳細はこちら

www.polycom.co.jp/services/professional_services/network_consulting

アステラス製薬株式会社

設立:2005年4月

本社所在地:〒103-0023 東京都中央区日本橋本町2-3-11

代表:代表取締役社長 野木森 雅郁

活動内容:「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」ことを経営理念に掲げ、研究開発型のグローバル製薬企業として積極的に事業展開を図っている。免疫疾患や泌尿器など5つの重点領域におけるグローバル・カテゴリ・リーダーを目指している。

http://www.astellas.com/jp/

(導入時期:2008年8月 / 取材時期:2010年12月)